[コメント] マックス、モン・アムール(1986/仏)
やましいことなど何もないと言わんばかりに、チンパンジーのマックスと恋をするシャーロット・ランプリングの超然とした佇まいも良いが、夫を演じるアンソニー・ヒギンズが何と言っても素晴らしい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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一時は嫉妬に狂い、娼婦を呼んでマックスとやらせようとしたり、マックスの射殺さえ試みた彼が、少しずつ変化していく。妻とマックスの関係を許し、受け入れるようになっていく。
情けないといえばまあ情けない、しかしそれ以上になんと優しい男だろうか。森の中で迷子になったマックスを、妻と一緒に懸命になって捜索する彼の姿に、僕は涙を抑えられなかった。
ヒギンズが運転する車にマックスが飛び乗ってからの圧倒的な祝福モードから、不穏なラストへの唐突な転調も凄い。一見して大島らしからぬ、しかし紛うことなき大島の映画であることを、観客はあの「犬の鳴き声」で納得するのである。
あと、細かい部分でユーモアを感じさせるシーンが多かった。ランプリングがメイドの顔に出たアレルギーを見て、行方不明になったマックスが戻ってきたことを了解するシーンなどは、秀逸なコメディ描写ではないだろうか。
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