コピー「いっしょに、ドラ泣きしません？すべての子供経験者のみなさんへ」というところからも、「今の子供」よりも「大人たち」をターゲットにした映画だということがわかる。

「いつもの日常」の序盤が終わると、「結婚前夜」の話。確かに泣ける。そして「さようならドラえもん」の話。これに「おばあちゃんの思い出」のエピソードを足したら、もう大号泣だよ、うん。

でも、なんだか初めから「泣く」ことを意識して作られた、っていうところから、「反則」な気がずっとしているんです、実は。

あえてこの時代にそういうものを作った意図は？と思っていた。「純粋に泣く」こともやっぱり必要なんだろうな、と自分の中で思い始めた。

ところが、そこへきての「ＴＯＹＯＴＡ、ＰＡＮＡＳＯＮＩＣ」の大写し。それかい！目的は。もちろん、そういうスポンサーのタイアップがあっての映画だとは承知しているが、これだけ露骨だと、正直辟易したのも事実。

それでも最後の「ＵＳＯ８００」の話も含めて、原作漫画に近い雰囲気はあったから、バッサリ切り捨てることもできないし･･･う〜ん、困った映画だ。

実は、公開中の「ＧＯＤＺＩＬＬＡ」が、「これはゴジラか否か」とか「そもそもゴジラとは」と議論が、このシネスケでもあるのだが、私には「そもそもドラえもん」とはという思いのほうが、「ゴジラ」より大きい。実に困った。

ひとつ希望を言うとしたら、せっかく「大人」に見てほしいと思ったならば、この映画だけは「旧声優（大山・小原・肝付・野村・たてかべ）」で演じてほしかった。あと「大人のび太」を妻夫木聡にやらせるようなことはやめてほしい。（希望が二つになっちゃった）　

追記：確かにしずかちゃんは優しいし可愛いから「結婚したい」と思う気持ちは判るんだけど、「ジャイ子（ジャイアンはあだ名だけど、ジャイ子は本名らしい）と結婚すること」自体は不幸なのかしらん？ジャイアンと違っていじめっ子というわけでもないし、芸術的才能もある女の子だと思う。確かに「容姿」は前田敦子のように可愛くはないかもしれないし、面倒な兄がいるから近づきたくないのは判るけど、「ダメなのはのび太」であって、そんなダメ夫を精一杯支えて、苦しい家計をやり繰りして一生懸命子育てをする、「パワフルママ」なんじゃないかな？。

そもそもしずかちゃんと結婚しても、「のび太自身」がしっかりしないと、誰と結婚しても一緒だし、のび太がしっかりしていれば、ジャイ子と結婚したって、「幸せ」なんじゃないのかな？