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[コメント] るろうに剣心 京都大火編(2014/日)

色々細かいところ言えば文句も多いが、キャラとチャンバラさえしっかりしていれば成り立つ作品で、その二つをちゃんと抑えているので、充分楽しい作品だ。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 これまでジャンプ系のマンガの実写化はいくつかあったが、概ねは失敗作であり、本作も期待は出来ないと思っていたので、劇場はスルー。しかし公開当時結構話題にもなっていたので、軽く気になっていたのでレンタルして観てみた。

 正直、劇場で観ても良かったかも。思った以上に面白かった。

 物語は原作よりも単純化されているが、映画としては当然のスリム化だし、剣心をいかに格好良く撮るかというのは成功しているし、出てくるキャラ一人一人に見所をちゃんと用意しているところがなかなか気に入った。かなりバランスは良い。

 本作での最大の成功点は剣心がちゃんと剣心しているという点だろう。剣心を描くのに重要なのは、静けさの中にある気弱な部分と、刀を握ったときの凜々しさと激しさのギャップにあると思う。これはこれまで多くの人々を斬ってきた後悔と、人とのコミュニケーションが上手くないことから来る韜晦から来ている通常の時。そして死を恐れぬような立ち居振る舞いを見せる戦闘時。この二つを違和感なく演じられる人物と言えば、真っ先に挙がるのが佐藤健だろうし、それに見事に応えてくれた。月並みな言い方をすれば、緋村剣心こそが佐藤健の代表作となるだろう。それだけ見事なはまり具合だった。

 あと、本作を際立たせるのには剣劇シーンというのがある。古き良きチャンバラとは一線を画したアクロバティックな動きと、何度切り結んでも全く体力が落ちずに何度でも戦い続けるその姿は新時代のチャンバラっぽくてむしろ良し。見所ありまくりなので見応えある。漫画原作なのだから、これくらい派手でも構わない。古くからのチャンバラ好きだったらこんな演出は否定したくもなるだろうが、これは時代劇ではなくチャンバラ寄りの特撮だと思えば問題なし。 

(評価:★3)

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