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[コメント] カリフォルニア・ダウン(2015/米)

ギャレス・エドワーズゴジラ』に真っ向から喧嘩を売るサンフランシスコ大破壊映画。前作『センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島』で50〜60年代あたりのSF映画を最新技術で鮮やかに蘇らせただけあってこの監督はかなりの特撮好きと見た。是非とも一度ハリウッド版ゴジラを演出してみせてほしいものだ。
Sigenoriyuki

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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長回しに空撮や縦構図を駆使したスペクタクルシーンの素晴らしさは言うまでもない。特に波の向こう側から貨物船が現れ、その貨物が落下しドウェイン・ジョンソンらに襲い掛かり、それが過ぎ去った後にゴールデンゲートブリッジに直撃するまでの執拗さには思わず涙を抑えきれなかったほどであった。

登場人物が自分の行動を一切ためらわないところも良い。ドウェイン・ジョンソンはどんなに状況が悪化しても娘(アレクサンドラ・ダダリオ)の生存を確信しているし、娘の救出のために自分の乗り物を平然と乗り捨てていく。アレクサンドラ・ダダリオもまた父の教えを迷いなく実行し生き延びていくし、悪役のヨアン・グリフィスにしても実は良い人などという側面は一切見せずに死んでいく(一方で彼が作り上げたビルがバベル塔的な使われ方はせずアレクサンドラ・ダダリオらを命を救うことになるというのも中々面白い)。心理描写を見せずにひたすら行動すること=アクションを見せることに重心が置かれている。 出発する前もう一人の娘の死を回想する場面、ラストのアレクサンドラ・ダダリオを心肺蘇生する場面などの泣かせシーンのしつこさが少々気にかかる。例えば序盤ドウェイン・ジョンソンが妻(カーラ・グギーノ)の家を去る場面でドアミラーに映る妻 とはいえ、序盤ドウェイン・ジョンソンが娘の部屋で物思いにふける場面や飛行機での姿やダム崩壊場面の後ポール・ジアマッティウィル・ユン・リーが一緒に映った写真をさらっと挿入するなど、最低限の描写で人物の心情や関係性を示す手腕は確かにあるはずなのだが、これは演出というより脚本に問題があるのだろうか。

(評価:★4)

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