コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] さよなら、人類(2014/スウェーデン=ノルウェー=仏=独)

本作のカメラ位置は、起立した人の目線位置あたり。固定ショットだけで構成される。移動もパンニングも全くない。また、全編、奥行きを意識させる画面構成で、屋外は道が奥に続いていたりし、屋内でも、部屋のドアや窓の向こうが見えるカットばかりで構成する。
ゑぎ

 基本は水平ショットだが、小さなバルコニーでシャボン玉をして遊ぶ少女たちのカットは仰角だし、ビルの窓外からのカメラで、窓から外を見、煙草を喫う上半身裸の男と、後ろから抱擁する女のカットは、ちょっとアオリ気味かつ寄り気味の構図だ。それと、本作でも『散歩する惑星』と同じく、登場人物は皆白塗りのメイク。矢張り、これは重要な演出なのだろう。ただし、意味不明なカメラ目線は禁じられているようだ。

 挿話では、吸血鬼の牙や笑い袋などのパーティーグッズを売り歩くセールスマン2人の場面が多いのだが、これらはちょっと鬱陶しい。また、アメリカ民謡の「リパブリック賛歌」が複数場面で使われていて、謎だったのだが、ウィキペディアによると、この音楽は、スウェーデンがルーツ、という説もあるようだ。納得したが、面白みは半減した。このリパブリック賛歌が唄われる場面の一つでもある、現代のカフェに、ナポレオン時代ぐらいに見える軍隊と国王陛下がやって来る場面はいい。騎馬の迫力が良く出ている。あと、巨大な銅製?の樽(沢山のラッパが突き出ている)のような中へ、捕虜(原住民?)を入れ、下から火であぶると、ゆっくりと回転し始める、というカットのパラノイアックな造型には瞠目する。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。