[コメント] コタンの口笛(1959/日)
アイヌの方々の毛が濃いイメージをもっともよく伝えていたのは(ここには名がない)土屋嘉男さん。こういうの貴重と思います。
劇的なことは起きない、声高に主張しない、という成瀬の作風にこそ合う題材と起用されたのかと思われます。しかしそのためには、差別する側の理、みたいなものに一歩踏み込んで初めて、差別される側の情理を紡ぎ得たのかもしれません。取り遺される側の情理を紡ぐに際し、取り遺していく側の“時代の正論”を対置する、これまでの成瀬の作風に照らしてみても。踏み込み不足という、奥ゆかしき成瀬にはままある批評に同意です。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。