[コメント] 監視者たち(2013/韓国)
風采は上がらないが優秀な仕事人である班長ソル・ギョングと洞口依子を元気溌剌にした風の女性室長チン・ギョンは、ちょいと特車二課の後藤・南雲のようでもあり、私の好みからすれば部下との/部下同士の関係などはややフレンドリーに過ぎるけれども、このチーム感プロフェッショナル感は落第ではない。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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チョン・ウソンの「切れ者」としての造型にはいささか安直なところもあるが、まるで同情の余地のない振り切れた悪役であるのはこの映画の大きな美点だろう。
ジュノが殺されたりソル・ギョングが刺されたり、また犯罪グループ側の成員も殺されたり逮捕されたり、といったように両者とも満身創痍になりながらハン・ヒョジュ/ソル・ギョングとチョン・ウソンの直接対決に雪崩れ込んでいく終盤にかけての展開がさすがに盛り上がる。トンネルの内と外でソル・ギョングとチョン・ウソンが拳銃を構えながら対峙する演出も好ましくトラディショナルだ。「刑事ドラマの一つの型として、刑事が犯人を射殺するところまで持ってゆくべきだ」というのは自作『CURE』に関しての黒沢清の発言で、私自身はそこまで射殺エンディングについては拘っていないけれども、なるほど確かにフィクションとして理想的な収まりではあると改めて実感する。
エピローグのサイモン・ヤム特別出演に無闇に嬉しがってしまうあたりは演出家の思う壺かしら。
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