[コメント] 妻として女として(1961/日)
風俗映画の体裁でギリシャ悲劇を観せられたような遣る瀬無さが残る。キメの場面で派手に陰影が強調されるが、主題に沿っているからこそ巧みと思わされる。あと、冒頭の飯田蝶子と凸ちゃんの謡がとてもよい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これは大沢健三郎の戯れ唄とリンクさせられている訳だ。冒頭と山場で繰り返される無機質な信号機の巧みさ。最後に子供たちに寄り添うのがいい。
ひとつひとつのシークエンスが丁寧に撮られているのも好感の持てる処。凸ちゃんと仲代達矢の関係など、ナルセ作ではいつも駆け足なのだが、本作はアパートの入口で凸ちゃんが引き返すまで、丁寧に撮り上げられており、さもありなんと思わされる。
直前の水野久美の突然の馘首と酒ぶっ掛けの件が秀逸。あと、凸ちゃんが作戦を練る宴席のメンバーがやたら豪華。淡路恵子、藤間紫、関千恵子、丹阿弥谷津子、十朱久雄。ベストショットは子役ふたりが廊下を走り去り、成長した星由里子と大沢健三郎のふたりが直ぐに廊下を戻ってくる幻覚的な件。
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