[コメント] 放浪記(1962/日)
おのが同朋を俎上にあげ、その果てには自分の手足すら食らってまで書き続ける私小説作家の心中は、そうなった者にしか判るものではあるまい。その苦渋が乗り移ったかのように、高峰秀子は口調のみならず顔貌すら大きく歪めてしまった。まさに業深き女の完璧な再現である。
(水那岐)
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