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[コメント] 淵に立つ(2016/日=仏)
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★5深田晃司、早くも4作目にして一応の集大成映画とみる。今回は「西川美和+黒沢清」×1/2そして多少のパゾリーニ風(テオレマ)。だから、ホラーとしてみるもよし、心理映画としてみるもよし、罪と罰(神)を心底掘り下げた映画としてみるもよし。 [review] (セント)[投票(2)]
★5どこにでも居る普通の中年夫婦。その間の溝を、これ程端的に描いた作品はない。悪魔という存在が、その溝を表面に露出させた。そして、一つのセリフ。それを聞いた時、ドキッとして、絶句した。 [review] (KEI)[投票(1)]
★4舐めてると牙を剥いてくる悪意の奔流は遍く我々のすぐ隣に内在する。残念ながらそれに抗する術は無いのだという諦念に於いて優れてイ・チャンドン的だ。カメレオン作家深田の新たな鉱脈で男優2人に四つで対峙する筒井も良い。ただカメラが弱い。 (けにろん)[投票(4)]
★4観終えた直後は頼りない印象だったが、後でじわじわ効いてきた(含『テオレマ』のネタバレ)。 [review] (寒山拾得)[投票(2)]
★3浅野忠信が常にワイシャツ姿であることにより生み出される不気味さ、そして、真っ白のツナギの上半身を脱ぐと赤いTシャツが現れることで空気を一変させる視覚的鮮烈。 [review] (緑雨)[投票(3)]
★3例え歪であろうと「調和」は調和だが、歪さの種が調和を浸食する前半のスリル。調和喪失後の負の「均衡」が、多層化された「罪」によって再び蝕まれる後半の残酷。起承転結ではなく、状況を捉え物語を紡ぐ深田晃司ならではのサスペンスは容赦なく魂をえぐる。 [review] (ぽんしゅう)[投票(3)]
★3白と赤のサインが目立つ。白いワイシャツ、白いツナギ服、蛍の赤いドレス、浅野忠信のツナギの下の赤いアンダーシャツ。或いは、屋上バルコニーの白いシーツ、太賀の赤いリュックサック。 [review] (ゑぎ)[投票(2)]
★3誰も平穏な現在をむさぼる者たちは、自分のまわりに輝かしくも醜悪な「物語」が闖入してくることを予想しないし、その存在を認めない。ささやかな不幸と幸福とが人生を彩るだけと思い、他者を迎え入れて破滅する。告解室のような喫茶店で妻に告白する闖入者は、耳慣れぬ正義を口にし彼女を涙させるが、この時点で妻は異常に気づくべきだった。かくして救いなきディストピアは家に根を下ろす。 (水那岐)[投票(1)]