[コメント] この世界の片隅に(2016/日)
最初から最後まで、すずさんの喜びや悲しみ等々全ての感情を一緒に体験したかのよう。観終えた後に残るのは悲しいとも切ないのとも違う気持ち。そして気付く「あの時はこんなだったのか」と。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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誰が正しいとか間違ってるとかでなしに、すずさんの「こんな状況になった」「こんなことが起きた」「こんなことをした」「誰かと会った」がひたすら描かれる。そして話の進行と同時に戦局が変わり、先の鍵括弧内のことも段々深刻になっていくのが何とも辛い。悪化するのが分かってるだけに。呉空襲による悲劇の後にも、8月6日は、そして8月15日をどう迎えるのかと思いながら、我々はただひたすらすずさん達の生活を、その日々を見守るしか出来ないのだ。ひょっとすると、観終えた後の「違う気持ち」の中には無力感もあったのかもしれない。
だがこの物語は8月15日で終わらなかった。その後もきちんとあったのだ。これは確かに「昭和20年・呉」の話であり、このままいつまでもいつまでも続くような雰囲気すらあった。あのエンディングから今の日本に繋がってるような、そんな感じがした。
……そういえば、クラウドファンディングの皆さんが紹介されて、最後の最後に手を降ってるシーンがあった。あれ、右手ですよね。すずさんが失くした方の手。無い方の腕を笑顔で振って感謝の気持ちを伝えようとしてるすずさんを想像すると、グッと来る。
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