[コメント] 溺れるナイフ(2016/日)
原作のファンは多いそうだ。きっと山戸結希もそのひとりなのだろう。乙女たちの共感の核となる“乙女チック”さへの敬意を共有しつつ、映画(=オリジナル)に昇華しようと炸裂する山戸の溢れんばかりのパッションに、危うく“乙女チック”さは崩壊寸前となる。
それは、普段は生活のなかに封印されている静的なフェミニズム意識が理屈ではなく感覚として、方向の定まらぬまま噴出してしまった結果にも見えた。少女による少女たちのための、新たな少女映画のカタチを模索しているのだろう。
やりたい放題の荒削りさと「青春期」への優しさが同居していた『翔んだカップル』や『セーラー服と機関銃』といった初期の相米慎二監督の作品を思い出した。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。