コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] サバイバルファミリー(2017/日)

現実でも充分に起こり得る世界。これはそう遠くない未来の我々の姿……と思いながら観ていたけど、終盤→
ダリア

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これは現実に起こり得る事態、明日にでもこんな世になっても不思議はない。

最初はエレベーターが動かなくて困ったとかスーパーのレジが動かないからソロバンで計算と些細な不便でも、それが徐々にペットボトルの水がボッタクリ価格になったり大阪なら電気が来てるとデマが流れて振り回されたりと段々と深刻な状況になっていき、やがて水族館の魚を食べなきゃならなくなり、そして飢えた野犬が襲ってくるほど命を脅かされる恐怖。

……と考えながら観ていたんだけど、終盤の流れが気になった。

結局停電は2年続いたようで、鹿児島に着いた一家は漁をし畑で野菜を作りそこで穏やかに暮らした。しかし、いくら田舎とはいえ鹿児島だって全てのライフラインが止まって2年もまともな生活できるか?

途中で出会った養豚農家はまだいい、田舎なら井戸があって食料(豚)を備蓄している家もあるだろう。しかし鹿児島の全ての家に井戸があるわけではないだろうし(むしろ井戸がある家の方が稀少では)、漁をするにも船の燃料や餌が必要だし、畑には大量の水を撒かねばつやつやの野菜は獲れない。首都圏ほど人口は多くないとはいえ数か月もすれば食料や飲料水や燃料やマッチは底をつき、飢えて野生化した動物が襲ってくるのは都会も田舎も同じだろうに。都会は大パニックを起こすけど田舎なら大丈夫?そんな甘くないよな。

この製作陣、田舎の暮らしを理想視しすぎ。さらに言えば、田舎ならライフラインが止まっても原始的に暮らしていけるとバカにしてるようにも見える。とても興味深い作品だったが、この点が少々気になった。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)寒山拾得[*] シーチキン[*] けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。