[コメント] ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017/米)
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前作を超える80年代ネタが次々と出てくる為、その頃に青春時代を送った身としては、いろんな思い出が引き出されてくるし、登場キャラもカート・ラッセル、シルヴェスター・スタローン、カメオでデヴィッド・ハッセルホフなど、80年代のヒーローだらけ。心擽られる。
それとキャラが全員続投の為、役が練れていて、会話のキャッチボールがとても心地良いのも挙げられる。比喩表現が全く理解出来ずなんでも言葉にまっすぐ反応するドラッグス、ツンデレポジションで、なんでもかんでもピーターの言葉にツッコミいれまくるガモーラ、ますます毒舌に磨きがかかり、話してるだけで苛つかせるロケット、そしてたった一言「アイ・アム・グルート」としか言わないくせにバリエーション豊かなしゃべり方をするグルート(前作ではなんとヴィン・ディーゼルが声を当てていたが、流石に今回の赤ちゃん役は無理だったか)。そしてそのどれにもちゃんとツッコミを入れられるキーパーソンとしてのピーター。彼らの展開する会話の波に乗るのがとても気持ちいい。
更に言うなら、80年代のポップスが次々に流れてきて、一々キャラがそれに反応するのもよろしい(この選曲にもちゃんと意味があるらしいけど、そこまでは理解出来ず)。
総じて言えば、本作の面白さというのは、本筋のストーリーではなく、そういった部分にあると言えるだろう。前作が受けた理由はそこだ。
ただ、楽しいのは楽しくても、ノリの良さだけでは、二作目になるともう成り立たない。単なる『VOL.2』だったのを、敢えて邦題に『リミックス』と付けたのは、「前作とあんまり変わりませんよ」というネガティブな意味があったのかと勘ぐるほどにノリが変わらない。更なる付加要素を付けるか、あるいはもっと物語で見させる工夫が必要だっただろう。
一応付加要素として、古い西部劇の演出をわざと挿入したことはある。
最初のエゴの登場シーンなんかはまさしく騎兵隊の登場シーンだったし(ご丁寧にエゴは手綱を握って宇宙船動かしてた)、幾たびも劇中宇宙で生きる為のコツについて語られているのも、荒野の掟を語るのと一緒。“敵の敵は味方”を地でやるのも西部劇からだし、何よりラストのヨンドゥがいかにピーターを思いやっていたかが分かるシーンなんかはまさしく『赤い河』(1948)の引用そのものだった。多分意識的に挿入して見せたんだけど、それが上手くは機能してなかったようだ。なんか昔のSFが「西部劇のガンマンが銃を光線銃に変えただけ」と揶揄されていたのを、そのまま意識的に引用したかのよう。
その付加要素がそこまで上手く機能しなかったのが乗り切れなかった理由だろうか。
物語に関しても親子の相克がどうにも単純化されすぎてるし、ラストに大切な人の犠牲で主人公は救われるってパターンも前作とほぼ同じ。ちょっと乗り切れず。
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