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[コメント] レイルロード・タイガー(2016/中国)

ジャッキー・チェンも「中国」映画に出るようになったのね。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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がっつり「中国映画」です。香港映画ではありません。日本軍やドイツ軍が「悪者」として描かれる映画はたくさんあるが、もうがっかり。

日本人は、邪悪で、野蛮で、威張り散らして、乱暴で、間抜けで、「切腹しろ?」と言われても「痛いよ」という腰抜け。

中国人は、勇敢で、仲間思いで、優しくて、強くて、撃った弾は百発百中で、相手の弾は当たらない。

娯楽映画だから、そんな事言っても仕方ないのだが、我慢の限度をとっくに越えた。「こういう日本人を正義の中国人が倒す」という抗日映画が、中国人に支持されているのは仕方ないのかもしれないが、それをジャッキー・チェンが演じているのは、やっぱり、悲しい。

確か『ライジング・ドラゴン』が「最後のアクション映画」と言っていたはずだが、あれが「ドタバタ」だったから、消化不良だったが、こんな映画に出るなら、日本で上映しなくて結構です。池内博之も仕事とはいえ、よく頑張ったな。

こういう政治色の強い映画にジャッキー・チェンを引っ張り出し、さらにラストにもう一人「大物」が登場。流石の中国資本だが、もう一つ「若手育成」も兼ねた映画に感じた。最近、中国資本入りのハリウッド映画に若い中国俳優が混じって出演しているが、毒にも薬にもなっていない。ジャッキーやジェット・リーが単身で頑張っているのと大きな差がある。だから新しい人材育成が必要と考えるのが自然だ。今回の若手の中には、何故かK-POPアイドルや、ジャッキー・チェンの息子まで登場。「お前たち似ているな」とかいわれて、「?」と思ったけど、後からその理由が判りました。

ジャッキー・チェンも昔ながらのアクションを期待してはなかったが、やっぱり内容はちょっと寂しい。だから単身アクションじゃなく、「チームワーク」なんだろうとも思うけど、やっぱり寂しいなあ。

あ、「マコ」という、苗字じゃなく名前で呼ばれる日本軍の女将校は何なんだ。中国人女優さん?が演じていると思うが、さすがにあれはないわ。

と、散々愚痴って、フラストレーションを吐き出して、結構強めな文章を書きなぐったが、いわゆる「抗日映画」なんてジャッキー・チェン主演じゃなかったら日本で公開される事もなかっただろう。それを実際に目にするとやっぱりショックだが、そういう映画があるという事も、ちゃんと受け入れないといけないんだろう。そういえば、この映画には日本人俳優・矢野浩二という方が出演されている。日本ではあまり馴染みがないが、長い下積みの後、2000年に単身中国に渡り、活躍をされており、日本人社長や、軍の将校、更にはなんと天皇陛下まで演じたそうで、「中国で一番有名な日本人俳優」と呼ばれているらしい(今回は駅長役)。きっといろいろな苦労や葛藤もあっただろうが、異国で実績を残しているのは、スゴいと思います。矢野さんと比べたら、あるいは池内博之やジャッキー・チェンと比べても、私はまだまだ心が狭いな。

(評価:★2)

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