[コメント] ウラジミールとローザ(1970/仏=独)
シンプルで核心をついており、ジガ・ヴェルトフ集団のイメージを覆すポジティブさに驚かされる。富裕層がテニスコートで議論するコメディはじめ、ほとんどモンティ・パイソンのような寸劇の連続。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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このシンプルさは、シカゴ・セブン裁判の再現という性格によるものだろう。進行形の史実に沿ったから話が明快になっている。裁判が偏向すると世の中成り立たない。陪審員のセレクトって大丈夫なのか。そもそも被告が発言できないというルールっておかしい。などと考えさせられる。
この裁判、72年の上訴審で全員無罪。傑作なことに「逆転の理由は、被告側弁護団が文化的な偏りに関して陪審員に質問する許可を求めたことに対して裁判官が拒絶したことで、裁判官に偏りがあったと認められたことによる。」(Wiki)そうである。本作の見解と同じなのだ。思えば「ブルジョア裁判」も自己浄化力があった訳だ。
しかし「花束のように美しい」なんて云い回しをジガ・ヴェルトフ集団で聞くとは思わなかった。皮肉屋揃いと思っていたがえらいポジティブ、それが悪かろう訳はない。
(追記)2017年、「共謀罪」法案のドタバタ国会答弁の朗読・再現が巷で流行ったのは、本作のドタバタ裁判再現の方法を天晴れにも継承しているのだった。
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