[コメント] あの頃エッフェル塔の下で(2015/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
導入部、母親との軋轢とか、ソ連の話とか、まるで吹き飛んでしまう。
話の根幹の、若き日のポールとエステルのロマンス。なんだか二人どちらにも共感できない。青春時代の愛と性のこころ模様。愛し合ったり、ケンカしたり、不安になったり、胸が張り裂けるほど苦しかったり。そんな若さゆえの衝動に、もう少し浸ることができればよかったんだが、いわゆる「遠距離」になってから、お互いにほぼ公然と別の相手とSEXしてる、それも次々に。
「純愛幻想」なんて化石だとは判っているが、もうちょっと「一途さ」を感じられないと、「濃い恋愛」だとは思うが、「深い恋愛」には見えなかった。
さらには大人のポールを見ても、「ただの遊び人」にしか見えない。旧友とその奥さんとの会食で、「暴露」をしていたが、ただの八つ当たりだ。
パリのシーンが本当にわずかで、「パリでのラブロマンス」なんてオシャレな話でもない。
でも、ポールの家族のほう、妹とか父親とかが話を引き締めてくれているし、「女子に総スカンなヒロイン」ってのは、笑えるほど新鮮だ。⇒「私って、特別なのよ」みたいなこと言ってたし、だからそのあとの恋愛でも「節操のない」ところに、他の女子は嫉妬も含めて嫌ってるんでしょうか。妹ですら、そうなんだから。
だから、ソ連の話とかはもう省いてしまって、若き日の男と女の、燃えるようなラブロマンスを思い出し、その少女の面影をいつまでも追い求めてしまう、悲しい中年男の回想劇とかだったら、もうちょっと共感できるんだろうと思う。
若い二人を演じた俳優たちは、よかったです。でも私はエステルより妹派だ。
追記:「あらすじ」を書く為に、この映画の事を調べたら、監督と主演のマチューの出世作『そして僕は恋をする』('96)の登場人物、ポールとエステルの二人の「出会い」を描いた作品と言う事でした。そうだったんだ〜!。続編(というより、前日譚および、後日譚)だ。
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