[コメント] アトミック・ブロンド(2017/米)
例によって事前情報は予告編のみだったので、舞台が89年のベルリンだったのにちょっと意表を突かれた。冷戦がまさに終わる瞬間の話だったのかー。予告編だと派手なスパイアクションっぽいが、実際はル・カレ的エスピオナージュなニュアンスが強かった。
でも終盤のジェームズ・マカヴォイの独白とかソフィア・ブテラちゃんがうえーんと泣くとことか妙にエモーショナルなとこも。語り口がハードボイルドとニューロティックの間を揺れ動く感じがあって、そういう語り口レベルで80年代のカルトムービー的イキフンを濃厚に感じた。『ベイビー・ドライバー』『FOUND』『ドント・ブリーズ』『スパイダーマン ホームカミング』『ライフ』とかもそうだったけど、2017は80年代のカルト映画みたいな瞬間のある映画をよく見る気がする。あるいは俺が何を見てもそう見てしまうようになったか。
それはともかく。言うまでもなくシャーリーズ・セロンは最高にかっこよかった。アヴァンタイトルで水風呂から傷だらけの身体で出てきて鏡の前で震える……という「女性ヒーローが見せる弱さ」のクリシェ……からの、パリッと着替えて道を渡るとこの完璧なハードボイルドヒーローチェンジ。その瞬間に被さるキャストロール「シャーリーズ・セロン」! というのでもう完全に勝ちだ。この直前までのスタッフロールはグリーンディスプレイのコンピュータの文字を模した地味なものなんだけど、キャストロールはステンシル+ネオンサインの、本作のタイトルロゴと同じデザインになるのも最高。
(2017/10/29 劇場にて鑑賞)
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