コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ロダン カミーユと永遠のアトリエ(2017/仏)

劇中に出てくるバルザック像が、急に背が高くなったからビックリ。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ロダンとカミーユ。私は知らなかったのですが、二人の関係は有名で、何度も映画になっているみたいで、それをロダンの側から見るか、カミーユの側から見るかによって、印象は変わる。

物語は、最初から二人はもう結びついていた。もうすこし遡って、「出会い」あたりから始めてほしいと思った。そして深くなってはいくものの、ロダンはローズから離れない。それを「絵にした」カミーユの慟哭が悲しい。すこしずつおかしくなっていくカミーユ。堕胎してまでもロダンに愛されたかった彼女も、また「しがみつく人」だったかもしれない。

それにしても、ロダンはなぜローズから離れられなかったのかは判らない。手紙を郵便局止めにしろと言われたり、カミーユ以外にも次々に若い女を抱きまくる。あの「日本人」のハナコさんは、唐突でした。「フランス語判りません」。ゴッホとかもそうだが、この時代はミステリアスな日本文化が流行していたのだろうか?。ローズは終始仏頂面だけど、寝室でロダンと「追っかけっこ」をしている場面は、とてもかわいい。ローズは子供も産んで、晩年に結婚もしたらしいとテロップが流れた。その二人の愛に揺れるというよりは、「ロダンは好色」という印象しか残らない。

ロダンの仕事ぶり、「地獄の門」は完成したのか?「仕事ぶり」に関しては、なぞっただけなのかな?バルザック像の全裸中年小太り男が、服を着たら、背が急に高くなったからびっくり。依頼主の意に沿った形だが、「本物の肉体美」を追求してきたロダンにとっての「本物」は小太り男だ。「威厳」という衣を纏い、バルザックは、箱根で今日も子供たちを見守っている。

ところで、少し前に『セザンヌと過ごした時間』という映画でセザンヌとゾラの二人の物語を見たばかり。せっかくだから、『アベンジャーズ』方式で、俳優を共通にして、ギョーム・カネギョーム・ガリエンヌなどに出演してもらい、ついでに『ゴッホ 最期の手紙』なんかともコラボしても面白いかも。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。