[コメント] ロダン カミーユと永遠のアトリエ(2017/仏)
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ロダンとカミーユ。私は知らなかったのですが、二人の関係は有名で、何度も映画になっているみたいで、それをロダンの側から見るか、カミーユの側から見るかによって、印象は変わる。
物語は、最初から二人はもう結びついていた。もうすこし遡って、「出会い」あたりから始めてほしいと思った。そして深くなってはいくものの、ロダンはローズから離れない。それを「絵にした」カミーユの慟哭が悲しい。すこしずつおかしくなっていくカミーユ。堕胎してまでもロダンに愛されたかった彼女も、また「しがみつく人」だったかもしれない。
それにしても、ロダンはなぜローズから離れられなかったのかは判らない。手紙を郵便局止めにしろと言われたり、カミーユ以外にも次々に若い女を抱きまくる。あの「日本人」のハナコさんは、唐突でした。「フランス語判りません」。ゴッホとかもそうだが、この時代はミステリアスな日本文化が流行していたのだろうか?。ローズは終始仏頂面だけど、寝室でロダンと「追っかけっこ」をしている場面は、とてもかわいい。ローズは子供も産んで、晩年に結婚もしたらしいとテロップが流れた。その二人の愛に揺れるというよりは、「ロダンは好色」という印象しか残らない。
ロダンの仕事ぶり、「地獄の門」は完成したのか?「仕事ぶり」に関しては、なぞっただけなのかな?バルザック像の全裸中年小太り男が、服を着たら、背が急に高くなったからびっくり。依頼主の意に沿った形だが、「本物の肉体美」を追求してきたロダンにとっての「本物」は小太り男だ。「威厳」という衣を纏い、バルザックは、箱根で今日も子供たちを見守っている。
ところで、少し前に『セザンヌと過ごした時間』という映画でセザンヌとゾラの二人の物語を見たばかり。せっかくだから、『アベンジャーズ』方式で、俳優を共通にして、ギョーム・カネ、ギョーム・ガリエンヌなどに出演してもらい、ついでに『ゴッホ 最期の手紙』なんかともコラボしても面白いかも。
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