[コメント] キャノンボール(1981/米)
正直言って作品の出来自体は褒められたものではない。が、あの時代を生きた人の中には自分と同様に、そんなことだけでこの映画の価値を決めてもらっちゃ困ると思っている人もいるんじゃないかと思う。
この作品の肝はなんと言っても当時の豪華スターの献身的な出演(個人的には競演というよりこういった表現のほうが似合うのではと思っている)であろう。だいたいジャッキー・チェンとピーター・フォンダを対決させるなんて話を誰が思いつくというのだろう。それもとび蹴りひとつで終わってしまうというK−1並みの爽快さ。個人的にはそれだけでもこの作品は充分にその存在価値を示していると思っている。
またそれ以外にもロジャー・ムーアが本人役で出ていたり、サミー・デイヴィスJr.がチビと罵倒されたりと松本人志もビックリの楽しさであったし、さらにお色気の部分もチャーリーズ・エンジェルファラ・フォーセットによってしっかりとフォローされているのだから、これ以上何を望もうというのだろうか。
加えていうならば、当時はこれだけのスターが揃いながらどうして主役が(日本では今ひとつの人気だった)バート・レイノルズなんだと思っていたりもしたのだが、のちに彼が当時全米一のマネーメイキングスターであり最もセクシーな男優として君臨していた超がつく大スターであったことを知り、世界の広さと己の視野の狭さを思い知らされた作品としても記憶に残っている。
何度も言うが、正直言って作品の出来自体は褒められたものではない。しかしそれだけでは決して伝えきれない魅力がこの作品には埋まっている。
もうこうなったら物語の核であるはずのレースの結果などどうでもよくなってしまうというもの。だから映画はやめられないのである。
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