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[コメント] 母という名の女(2017/メキシコ)

なんだかAVにありそうな話だと思って観ていたら、とんでもない展開にびっくりした。これは相当に衝撃的な問題作、ではないだろうか。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







母親の子への愛情も、実は自分のための欲求であり、そのためには自分以外の他者がどうなっても構わない、自ら他者を踏みにじってでも成し遂げたいという、身勝手で醜い人間の欲望の一種なのだ、ということをあけすけに物語った映画にみえる。(本作では、子でなく孫、ではあるのだが、その違いが限りなく、そして意図的になくされているように見えたのだ)

逆光を多用した撮影のために登場人物の表情が読みづらかった。そのためいっそう、それぞれの登場人物が何を考えて話し行動しているのかがわかりにくい分、それぞれの行動がより客観的に、冷静に外から見ているという感じを強くしているように思えた。

そして最後、タクシーの中で我が子を抱えた若い母親の姿ははっきりと観客にも見えたが、それは「やってやった」という高揚感に包まれているようにも見えたのだ。

とんでもない映画だと思うが、観て良かったといえる一本だった。

(評価:★5)

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