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[コメント] 石合戦(1955/日)

浜田光夫は双葉より芳しく、その破壊行動は度外れで驚嘆を誘うが、話は残念ながら纏まりに欠ける。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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子供の石合戦(目が見えなくなった人が多いと指摘される)に宇野重吉の村八分、嵯峨善兵の汚職と、村の因習が集められ、それらが神頼みにシンボライズされて最後にひっくり返される。狙いは判るが、それぞれの事件の連環に力がなくただ並置されたというに留まり、抽象的な印象。これなら小沢栄神主の悪行を並べたほうが纏まりが良かっただろう。どんな悪行が並ぶのか興味深いし。本作では金銭が汚いという母親の山田五十鈴の観念に驚かされるが、そのくらい。

浜田はデヴュー作らしいが、そのナイーブな造形にさっそく味があり、さすが違うと思わされる(備忘:破壊行動とは母さんを救ってと祈ったのに死んじゃったので激高して神棚を崩壊させるクライマックス)。いじめっ子から百円持ってきたら遊んでやると云われて盗み、親父に叱られる件(奈良岡朋子が私が取ったと庇うが小沢に見破られる)がいい。陽性な高田敏江と陰性な奈良岡の対称が妙に心に残る。

(評価:★3)

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