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[コメント] 戦場の夏休み 小学2年生の見たイラク魂(2004/日)

必死に、一方でしたたかに生きていこうとするイラク人たち。[アップリンク・ファクトリー]
Yasu

日本人である監督に語りかけてくる人々。フセイン政権が倒れてアメリカ寄りの国になれば、英語を使う機会が増えると見込んでのことだろうか、みな、たどたどしいながらも一所懸命に英語で話している。それは、独裁者が消えた後に占領軍がやってきたことへの複雑な感情を孕みつつも、イラクという国の将来を現実的に見据えているようにも取れる。

監督がインタビューした10人のうち9人までは「フセインがいなくなってうれしい」と言っている。フセインに“抑圧”されてきた人々である。一方で、フセイン寄りだった公務員の家族は「ショックで混乱している」と語る。しかし、前者と立場がかなり違うように見える後者も、「大事なのは戦争に勝ったか負けたかや、フセインがどうこうではなく、この国の行く末だ」という点においては、全く同じなのである。

もし、1945年の日本で吉岡逸夫監督がカメラを回していたら、どんな作品ができあがっていただろうか。ふとそんなことを考えた。

(評価:★4)

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