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[コメント] ブラック・クランズマン(2018/米)

スパイク・リー監督はかなりのお怒りのようです。
deenity

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実話をベースに作られているとは言え、アカデミー脚色賞を受賞ということはどこまで忠実に作られているのかは些か気になる点ですが、アダム・ドライバーが出てて面白そうな匂いに鼻がヒクヒクしたので鑑賞してきました。

アダム・ドライバーは言わずもがなですが、相棒のジョン・デヴィッド・ワシントンはどうやらデンゼル・ワシントンの長男らしいですね。演技も気になる要素はなかったですし、親譲りの演技力という感じはしました。 その点アダム・ドライバーは演技力を高く評価していたので、そういう点でいうと物足りない感じは否めなかったです。 というかそもそもスパイク・リーという監督が役者の演技をしっかりと見せるというよりも、脚本で魅せる監督だと思っているので、それ故に目立たなかったと表現した方が適切かもしれませんね。

黒人が白人至上主義のKKKという団体に潜入捜査するという面白そうな設定。ただ、設定とは裏腹にハラハラドキドキというスパイアクションとかではなく、むしろエッジの効いたブラックコメディという感じ。もう人種差別発言はバンバンです。殊に黒人に関してはありとあらゆる呼称が飛び交っていて、正直あまり笑えないです。まあこれは個人的な感性の差なので一個人の感想として、この手のジョークは一歩引いちゃう自分がいるのが本音。社会風刺的に捉えられる作品ならまだしも、こういったテイストの映画はまず笑えない時点で冷めてしまったのが最も痛かった部分です。

終盤の展開はなかなか面白いです。デュークという敵の大将への電話なんかは偏見に対するメタファーが表れてて好きなシーンではあります。でもそもそもの段階で興ざめしてしまっていたので残念ではありました。

ただラストシーンはもっともエグいボディーブローをぶち込んで来ましたね。すごく引いた目線で見て、笑えねえよ!とか思ってましたが、まじで笑えないことが現実の世界でも起こっていて、今後もっと笑えない現実が起こり得る可能性が十分にあって、そういうスパイク・リーの「この作品面白かったか?笑えたか?だが現実は笑えねえのよ。昔は大変だったとか目を背けたりするんじゃ何も変わらねえよ。」って感じの意図がビシッと伝わってきたから、ちょいと評価3点まで引き上げときます。

(評価:★3)

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