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[コメント] ウトヤ島、7月22日(2018/ノルウェー)

制作の志と映画的な挑戦には敬意を表するが、作品としての満足度は今一つ。☆3.0点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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72分間ワンカット撮影には敬意を表するが、『カメラを止めるな!』('17)を既に知っている我々としては、ただ撮っている本作に感嘆は生じない。(因みに『カメ止め』は37分間ワンカット撮影だが、その完成度は本作より遥かに上である。今更乍ら『カメ止め』の真価を知らされた気がした)

映画冒頭に主人公カヤと友人とのたわいもない会話シーンがあるが、2人の会話にカメラが追いついていないのは意図的だろう。一々台詞を言う人間がフレームアウトするのでこちらの鬱憤が溜まる。かと言ってぴったりカメラに収めると予定調和になりドキュメンタリー性が無くなる。俺なら下らない事はしないで2人が収まる画角で撮るし、こんな浅はかな心理誘導は、カメラの存在を敢えて意識させるエクスキューズにしか過ぎないと思う。

本作では映像が「縛られている」ので、心理的効果を狙うのは専ら音(銃声)である。実際の事件で犯人が撃ったのと同じ約540発の銃声を用いており、それは効果を上げている(というか専らそれだけである)。

     ◆     ◆    ◆

映画ナタリーの特集に『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督と、本作のエリック=ポッペ監督との対談がある。もう一寸突っ込んだ話をして欲しかったが、どうにも2人のジャンルが違った様だ。(https://natalie.mu/eiga/pp/utoya-0722)

(評価:★3)

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