[コメント] 荒野にて(2017/英)
教育を受けていなくても、愛された記憶と愛したい気持ちが強い少年には生きる力がある。しかし浅はかな思考と場当たり的な行動が周りを振り回すことには気づかない。結果オーライなのだろうか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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マージおばさんのキャスティングは残念である。教育方針の相違からチャーリーの父親とケンカしたというマージは、予想に反して冷たい印象で、愛情深く包容力あるイメージとはかけ離れていたからだ。
また、馬と少しでも接したことがあれば、怖がっている馬がどういう行動に出るかは予測できるはずだし、殺処分を避けるために着の身着のままで逃亡するということもしないだろう。子どもの無教育と育児放棄がこれらを促しているという警告であるならば映画として成功しているのだろうが。マージおばさんと出会えたチャーリーの今後は、これらを克服して、人間らしい暮らしをしていくであろう希望もある。Lean on Peteとは馬の名前ではあるが、誰かを頼って、寄りかかって生きるということでもある。厳しい現実の中で、チャーリーの未来に明るい兆しが見えたことは救いである。しかし、旅の途中に出会った、ギリギリで暮らす市井の人々は、誰かに寄り添いたい、その小さな望みだけでその日を過ごしているという面もあぶりだしており、経済格差をまざまざと感じさせられた。
ピートとの旅があっけなく終わってしまい、馬と旅をするという宣伝に肩透かしもくらった。
何よりも、撮影が良くない。トランジションが下手なのか、背景に目が行ってしまう・視点が定まらないといった視覚効果が難点と感じた。全体的にモヤモヤの残る鑑賞となってしまった。
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