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[コメント] 空母いぶき(2019/日)

 褒める部分はそう多くないとはいえ、映画として成立させようとしてる工夫は認めよう。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 かわぐちかいじによる同名漫画の実写映画化作品。劇場で予告を観たのだが、物理法則を無視したミサイルの飛び方観た瞬間に観る気を失った。予告はもう少し考えた方が良い。

 そんなこんなでテレビ放映したのを機に観ることにした。

 正直言うと、思ったよりは悪くなかった。少なくともちゃんと観られる。

 本作は同じ時間を複数の視点から見る群像劇なのだが、その一部がそれなりにリアルだったのが幸いしたのだろう。これがもし秋津と新波のやりとりのみで話が展開していたら、それこそ目も当てられない作品になっていたので、群像劇にして正解。このような危機を前にして議論する場合、テンプレにしかならない。人権問題と国の危機の問題を俎上に載せると、どう描いても似通ったものになる。

 それが群像劇になったことでストーリーに広がりを持たせられた。

 予算の問題で派手には出来ない分、会話が中心になるが、メインの秋津と新波のやりとりよりもその周囲の人たちの会話の方が多彩なためにちゃんと間を持たせることが出来ていた。

 二人のやりとりはほぼ予想通りに進むので、観てるだけ退屈。だからこそ群像劇で、周辺の むしろテレビドラマで五時間くらいかけてやるのに丁度良い素材だろう。

 周辺国の配慮もあってか、国の名前を明確にはしてなかったり、攻撃してきた人物を出さなかったりと言ったところを中途半端と見る人もいるだろうが、そちらを表面化させたら映画として成立しなくなるので、それはそれで良し。

(評価:★3)

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