[コメント] 僕はイエス様が嫌い(2019/日)
白銀の世界に象徴された少年のピュアな思いに涙が止まらなかった。神の不在を嘆くあまたの映画にあって、この純朴な“決意”のなんと力強く切ないこと。思いが切実であればあるほど、願うことと祈ることは、どうやら違うようだ。私だっていまだに混同している。
志の低い一部の宗教家(いや、宗教屋)は、この混同に便乗して神の神秘化を隠れ蓑に、空疎な「祈り」を敷衍させ、意識せざる宗教の形骸化に加担して、ひたすら「現実」から逃げ回ってきたふしがある。そんな欺瞞や怠慢を、この少年(佐藤結良)の濁りのない「正当性」が木端微塵に吹き飛ばす。
23歳、奥山大史監督の自主制作による初長編作だそうだ。ぜとも、次回作を実現して欲しい。
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