弱々しい中にも「東大卒」って意地を垣間見せる主人公を筆頭に、登場キャラが全ていい。オーナー、同僚との銭湯におけるやり取り・自宅での食事シーン・彼女とのデート・ヤクザが絡む場面、、、全てにどこか虚無感を纏っている。時代の空気だ。

同僚の金髪くん(彼のキャラもめっちゃいい)が撃たれてからラストまで一気呵成に生まれる多幸感。主人公両親の迷いのない受け入れっぷりに、アンジェラの変わり身の早さ(笑)、タイミングばっちりな彼女との再会、、、 だが、オーナー、ヤクザが死んでるという事実。この先銭湯の日銭だけで果たしてやっていけるのかという心配、、、そして間違いなく取っ捕まるであろう主人公たち。 主人公が独白する「その時その時、今が楽しければいいのかも」 ま、深く考えてもしょーがないよ、とりあえず邪魔者いなくなったし乾杯〜！みたいな。 「東大卒」というちっぽけな肩書きを完全にほっぽり投げた瞬間の清々しさも感じた。

どこか夢見心地にさせてくれる作品だった。