[コメント] パラサイト 半地下の家族(2019/韓国)
傑作。だが高過ぎる完成度故に思うこともあり。
近年ここまで称賛を集めた映画も珍しい。アカデミー賞四冠にパルムドール。実際文句無しに面白く、巷には溢れる絶賛の感想にも優れた分析がなされたものが多い。 私もそれらに基本的には賛同する。優れた社会批評でありながら、メッセージ性だけで無く、ちゃんと作画で説得させるこの映画の完成度は並大抵では無い。だが、それらと同じことをここで繰り返してもあまり意味が無いので、では私はこの映画を愛してやまないか?という問題設定をしてみると、意外とそうでも無いのかもしれないと思い、自分でも驚いた。 何故か。そうそうたる面子に絶賛されている本作だが、その論旨はどれも似ていないだろうか?この作品はあまりに優れた構築力を徹底してるが故に、褒めるポイントや抱く感想が皆同じになってしまうという皮肉を孕んでいるように思えた。それは作品の誤読性が低いことを意味し、多様な批評の触媒にはなり辛い事を意味しているのではないか。 繰り返すが、文句無しの傑作であり、間違い無く今後のアジア映画の試金石になる作品だと思う。ただ、私はもう少し多様な解釈が発生し易い作品を好むんだなと改めて思い知らされもした。
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