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[コメント] 女の坂(1960/日)

面白いのはもっぱら快活な岡田茉莉子のお菓子屋再興のあれこれ。あんな店の経営ならやってみたいと思わせる魅力があった。後半の不倫はなんか投げやりだが真面目に描いても仕方なかろう。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「京しぐれ」というところてんのような高級菓子が紹介されるが、どこまで本当なのだろう。

最初の夜にものすごいネグリジェ着たまま滝花久子のお婆さんの案内で家屋を見て回る半分お化け屋敷巡りのような件が最後に作業場に出るのがいいし、職人の富本民平が感じいい。あんな店の経営ならやってみたいと思わせる魅力があった。あんな簡単に商売が再興するおとぎ話がリアルなほど世の中の景気が良かったってことなんだろう。

商売敵になってしまう澤村國太郎や、恋敵になってしまう乙羽信子の母親が後半霞むのが詰まらなく、佐田啓二との不倫は型通りで終わる。「京おんなは恋に命かけるのよ」という科白が物語を活気づけようとするが、そんなフレーズは聞いたことがないぞ。労働運動から役所やらバーやらに勤めて詰まらない人間になる男が複数出てくるのが時代。岡田がオート三輪で登場し、自分で運搬車修理しているのも時代だ。

ラストは岡田は商売にもどって感じよく終わる。あんな経営者ならやってみたいと思わせる魅力があった。あんな簡単に商売が再興するおとぎ話がリアルなほど世の中の景気が良かったってことなんだろう。感じいい河内桃子の心中はなんか軽薄な処理。

(評価:★3)

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