[コメント] パブリック 図書館の奇跡(2018/米)
図書館が好きな人(私もそうだ)にはお勧め。何故なら図書館は、ただ本が好きだ、というだけの場所ではないからだ。そのことが本作を観るとよくわかる。
公共の図書館には、実に多彩で、そして豊潤で重要な意味、意義がある場所だ。作中にも出てきた、人々が自由に情報にアクセスする権利を具現化した場所でもあるし、何より多くの本に直接触れることができ、それを通じて過去幾千の著作家たちと触れ合うことができる。それは時に人に生きる力を与えることでもある。その一方で、そうした個人のプライバシーを守るところでもあるのだ。
そして何より図書館とは、その重要な意義にもかかわらず、無償で、すべての人たちに開かれた場所でもある。何故そうなのか、何のためにそうなのか、そしてそのことにどういう意味があるのか。
図書館とはその特質ゆえに、効率性とか成果とかとは、本来、対極に位置するものでもある。
もちろん図書館の中には、私的に、ある特定の目的のために作られたものもあるだろう。だが、だからこそ本作の舞台となった公共図書館の役割、その姿が引き立つのだ。そういう図書館の素晴らしさを感じることのできる一作であった。
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