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[コメント] 人生の乞食(1928/米)

辛くも愉しい乞食体験は幾つもいいショットがある。藁山の一夜、ジャングルなるホーボーの炊き出し集会、貨物列車へのいろんな飛び乗り。見処はその辺り。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ウォーレス・ビアリーは『モヒカン族』等で当時スターだった訳だが、彼の心変わり、若い奴を祝福、みたいな物語はクサいし、ユーモアはもっさくて笑えない類だし、ルイーズ・ブルックスは泣きすぎで辛気臭い。「誰でも人生の乞食だ」みたいなリチャード・アーレンの詠嘆も平凡で、『つばさ』のもの凄い冴えは継続されなかった。

冒頭殺されている痴漢のオジサンは本当に悪人だったのか。視点が一方的で判らない。だからそもそも、殺人犯のルイーズ・ブルックスが逃げおおせてハッピーエンドでいいのだろうか、という疑問が残るのが作劇上の決定的な瑕疵であり、本作の評価を落としている要因と思われる。

あと、女性の男装はアメリカでは昔は御法度だったと聞いたことがある(イギリスではかまわない)が、違うのだろうかという風俗的な疑問が残った。

(評価:★3)

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