[コメント] 恋山彦(総集篇)(1937/日)
革命思想と特攻精神を同時に謳い上げた周到な時代劇。タテ移動カメラが捉える前半のクライマックスシーンに於ける彼の「動き」は全く以って神業的、あれはもう正しく「舞踏」だ。殺陣に入る直前の緊張感の漲りようが凄い。
良く戦後の阪妻作品を観て阪妻は日本一の俳優なんて言ってる人がいるがあれって本気でいってるんだろうか?洒落ですよね?
旅回りの田舎役者の演る国定忠治のような阪妻の台詞回しは、本作の公開された’37年にあっても古臭く感じられる。また悪声でとくに雄叫びなんかはまるっきりヒステリーの金切り声で全然恰好良くなんかない。
やはり彼の魅力は動きだ。表情も含んだカラダ全体の動きが素晴らしい。ロングショットで捉えた殺陣が最も画になる男。
阪妻はね、俳優なんかじゃないんだな。「役者」といって貰いたい。彼は活動写真の役者なんです。
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