[コメント] 無頼(2020/日)
この映画のリズム感は慣れて来ると、とても気持ち良かった。緩い短めのエピソードを暗転で繋ぐのが潔い。緩いというか牧歌的な挿話が多い。みんなでバーベキューとか、バス旅行とか。ライオン対トラの対決シーンなんかも象徴的だ。
また、例えば、シンナーを捨てさせた少年のエピソードといい、木下ほうかの扱いといい、多分かなり切り詰めているのだろうと推測する。真実は分からないが、シーンまるまる割愛されている部分も多いように感じられるのだ。これは確かに物足りない感覚も残るのだが、3時間ぐらいの長尺で見たかったとも思う。
松本利夫をはじめ、組幹部の男優たちが、皆、厳しさと優しさを同居させたキャラクタリゼーションだ。優しさの部分は、緩さに感じるけれど、そこもいい。さらに、柳ゆり菜の姐御の造型が見どころだ。出番も多いし、存在感も申し分ない。彼女は今後に期待大です。
#備忘
・映画の引用。『太陽の季節』のポスター。『赤い天使』上映中の映画館。『ゴッドファーザー』『仁義なき戦い 頂上決戦』についての会話。『北陸代理戦争』を映画館で見るシーン。本作のために再現している!『吉原炎上』『ダイハード』など、レンタル屋のシーン。
・前半、黒画面に台詞だけが入る処理が1回ある。何だったのだろう。
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