[コメント] キネマの神様(2021/日)
現代パートの沢田、宮本、寺島の古臭い山田演出の台詞回しにドン引きして困ったなぁと思っていたら、想い出パートで永野芽郁ちゃんが醸す昭和のクラシカルな恥じらいと奥ゆかしさが懐かしも心地よく、頑張って最後まで観ることができました。よかったよかった。
古臭いのは嫌いだけど、懐かしいのは好き、って我ながらずいぶん勝手な奴だなあと思います。
1950〜60年頃のスター監督はもとより、大船撮影所への細やかなオマージュ(組合運動の貼り紙!)も楽しかったです。桂園子(北川景子)の近視のエピソードは岩下志麻さんがモデルですよね。あと、城戸賞なんてすっかり存在を忘れていました。松竹さん、城戸さん、失礼しました。ごめんなさい。
お話しは劇中の若き助監督ゴウ(菅田将暉)が、うちの映画はベタベタしたセンティメンタリズムで“古臭い”と批判していた映画そのものなのですが、“そんな映画”を60年に渡って確信犯的に撮り続け、令和になっても何食わぬ顔でいられる唯一の監督が山田洋次なのですね。今さら山田監督にとって“変化”なんて屁の意味もないのでしょう。89歳だそうです。ご自愛ください。
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