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[コメント] レイジング・ファイア(2021/香港)

あまり詳しく無いながらも、ドニー・イェンについては思っていた通りの凄さ、カッコ良さで満足した。しかし、それ以上に、ニコラス・ツェーの悪役としての魅力に興奮した。
ゑぎ

 もっと怖い悪役は沢山いるが、凶悪さとルックスのセクシーさとのバランスが抜きんでている、そういう意味での最強の悪役じゃないか。

 アクションシーンも全編バランスよく配置されているが、特に中盤以降は、目を瞠るアクションの連続、怒涛のようなアクション攻撃だ。中でも、ニコラス・ツェーが、オートバイに乗り、自動車を運転するドニー・イェンと、それぞれ走行しながら格闘する、という殺陣のデザインには驚いた。また、終盤の、銀行からの逃走、追跡のカーチェイスと、銀座みたいな有名なブランド店が並ぶ通りでの銃撃戦も、凄いコンバット・シューティング演出。こゝで興奮度を上げた後、修繕中の教会か?二人のガチ対決となる、という、息もつかせぬ展開が良く出来ている。この擬闘シーンでは、小さなアイデアが沢山繰り出される。ピアノの鍵盤に頭を左から右へ滑らせて、グリッサンドを奏でる、なんてユーモアもちゃっかり盛り込むところが素晴らしい。

 尚、小刻みなズームの使用が全編見られる。アクションシーンではそんなに気にならないが、法廷シーンなどでは、これが目立つのだ。不安定な心理、揺れ動く気持ちの表象を狙っているのだと思われるが、私は気になった。また、ドニー・イェンがどう証言するかということで、引っ張る演出も大袈裟だと思った。ひいては、この証言で彼を恨むという心性の描き方は、ニコラス・ツェーと仲間たちの悪役としての凄みを阻害しているとも思う(この部分はアホみたいに見える)。副総裁及び警察組織は恨むが、ドニー・イェン個人のことは恨んでいない、という悪役でも良かったんじゃないか。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ペンクロフ[*]

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