[コメント] THE BATMAN ザ・バットマン(2022/米)
しかし、展開は鈍重にも感じる。電車からホームに降りたアジア人を暴行する若者たちとのアクション場面や、アイスバーグ・ラウンジ(双子の門番のいるクラブ)での乱闘アクションなどの見せ場もはさむが、本当に瞠目したのは、葬儀場の爆発のクダリを経た、警察署内のシーンでの、警部補−ジェフリー・ライトを殴って屋上から逃亡するシーンまで無かった、というのが正直な感覚なのだ。
続く、建物の影からのバットモービル登場と、ペンギンとのチェイスシーンも見せた。ハイウェイの逆走、タンクトラックの炎上と、バットモービルのジャンプ。この辺りでようやく映画が走り出した感覚を持つ。ただし、その後も徐々に失速する。
これは別にアクションシーン以外が長い、というようなことだけを云っているのではなく、例えば、アイスバーグ・ラウンジというクラブが本作の舞台設定としては重要な場所だと思うのだが、クラブ内の造型が物足りないのだ。モブシーンらしきカットは完全に省略されているでしょう。この場所が、もっとスペクタキュラーな画面で造型されていれば、私は多分、失速なんて言葉を使わないと思う。あるいは、銃乱射と洪水の舞台となる会場のシーンも、決定的に群衆(エキストラ)の数が足りないと私は思った。
さて、役者は皆いい。ロバート・パティンソンとゾーイ・クラヴィッツには今後も大いに期待する。ファルコーネを演じたジョン・タートゥーロを、私は久しぶりに見たが、相変わらずの存在感で感激した。コリン・ファレルは全く面影の無いメイクアップじゃないか。これはちょっと可哀想にも思う。警部補−ジェフリー・ライトの活躍と検事−ピーター・サースガードのバイプレイヤーぶりにも嬉しくなる。そして、ポール・ダノの造型、いいですね。ダイナーのカウンターでの後ろ姿のカットもいいが、接見室で唄う場面が素敵!アベマリア。
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