[コメント] 流浪の月(2022/日)
しかし、回想、フラッシュバックの多い映画だ。フラッシュバックを使わないと映画にできない(面白くできない)類いのプロットだと思う。正直、私には不快な映画だった。作り手は、観客を不快な思いにしようという意図で、ワザと作っているのだろうと思いながら見た。許し難い。特に、最初から松坂桃李は1ミリもロリコンとは思えないのに、10歳のサラサ−白鳥玉季もロリコンについて言及するし、成長した広瀬すずも、彼がロリコンだと信じて疑わない、という「見せ方」が許し難いと思った。
また、横浜流星のキャラ造型も酷い。病気は広瀬じゃなく彼だろう。広瀬も、松坂が恩人だと横浜に伝えようとしないのは私にはもどかしく、作り物臭いと感じる。登場人物が皆(警察なども含めて)、コミュニケーション能力に問題がある、という前提なのだ。あと、多部未華子が綺麗に撮れていないのも、演出の責任だと感じる。他にも、10歳のサラサの天真爛漫さを示す場面で、いきなり明るい洋楽がかかる辺りの演出にも違和感があったし、松坂の母親−内田也哉子の役割も中途半端だと思う。
さて、良いところも書いておこう。口のまわりや頬を、血(赤色)だらけにする画面の反復には唸った。松坂が拭いてやる所作の反復も。また、広瀬が趣里に連れられて行く、アンティークショップの2階のカフェの場面はいいと思う。ローキーの店内と電球色の光の扱い。そして、最終盤は、想像をしていなかった、ある意味、ぶっ飛んだ展開で、私はこゝは映画として肯定する。広瀬、松坂、横浜、三人の帰結についても、好感が持てる。最終盤で少し取り返した。このツイスト感がなければ、もっと評価を下げたと思う。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。