[コメント] 百合の雨音(2022/日)
セクシャリティの葛藤というテーマは令和。思い入れたっぷりの音楽、照明、作劇は昭和。にっかつロマンポルノの有終の美を飾った『ラスト・キャバレー』の監督は現在67歳。金子修介にとって、この堂々たるギャップこそが50周年記念作に相応しい勲章なのですね。
この20〜30年、橋口亮輔を筆頭にゲイの生き難さを扱った映画はずいぶんメジャーになってきましたが、興味本位にではなくレズビアンのその種の葛藤を主題に据えた作品は(私の不勉強かもしれませんが)あまり見なかった気がします。その点で本作にはアクチュアルな意義を感じました。
花澄という女優さんは初めて知りましたが、43歳にして上品なセクシャルシーンが好印象。同じ43歳で『愛の亡霊に』に主演して話題になった吉行和子さんのヌードを思い出しました。それにしても、ベッドシーンになると流れてくる思わせぶりでねっとりとしたフルートやピアノのソロには、正直辟易しました。
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