[コメント] ジョゼと虎と魚たち(2020/韓国)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
韓国版の原題は『Josee』。そのタイトル通りに「虎と魚たち」のモチーフは、重きを置かれなかったようで、よく判りませんでした。そもそも「ジョゼ」がサガンの小説の主人公から取ったということ自体も、しっかりと描かれませんでした。そのあたりは、見終わった後に色々調べたりして、「あ〜そういうことだったんだ」と知った。だから、この映画を評するのに、比較ではなく、単体として書くことにします。
そういうわけで、私の印象としては、「韓国映画らしい、キラキラとした<純愛映画>」でした。なかなかに「面倒な女性」という第一印象から、そういう世界に初めて触れた主人公の「揺れ動く」不安定な心を、とても繊細に表現していました。一方、男性ヨンソクの側は、振り回されながらも気になる、という彼の目線でストーリーを追ってました。しかし彼は「誰にでも優しい」。後輩の女子大生の「私たちは、恋人同士・・・ではないですよね・・・」という言葉が悲しい。
祖母が亡くなってから、家を訪ねた時、逆光でヨンソクの横顔を撮ったシーンが、とても美しい。この映画は、撮影の美しさは絶品でした。そして、ラブシーンですが、これはとても淡泊。青春映画みたいでした。
だ・か・ら、最後の「五年後」が唐突で、びっくりしました。え?何でそうなるの?っと思った。ジョゼが車の運転をしているシーンで、彼女が自分の力で外へ出かけて行くという「自立」を描いたのでしょうか?この映画を見るにあたって、あまりジョゼが「障がい者」だということを考えずに見ていたようで、別れと自立が同じ画面の中で描かれていたことに驚いた。ここは賛否ありそうな結末ですね。
ラストシーンを見た後で、池脇妻夫木版の映画のストーリーを見たら、やっぱり別れていたようで、そこがどう描かれていたか気になります。
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