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[コメント] ちひろさん(2023/日)

サイドカーに犬』みたいだったら嫌だと思ったら、スーパーウーマンの話ではなかった。孤独が好きだけれど、同類の人間とはちょっと絡みたいな、と気まぐれを起こす猫みたいな女の子の話。そう思ったら、少しは好きになれたようだ。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







基本、人を幸福にするお姐さんの話は嫌いではない。だが2時間以上スーパーウーマン見せられたらさすがに辟易する。そう思ったら波長の合うヒトとだけ突っ込んでじゃれる猫の話だった。なるほど、それなら有村架純でもいいや、と思えた。

彼女と会うヒトが幸福になってゆくのではなくて、「同じ星」のヒトを見つけるためにそこにいる女なのだ。そうして、そのヒトが同類としての成長を遂げるのをにこにこしながら見つめている触媒のような娘だったのだ。種まきしてるだけだ。でも、それは同じ町でも限られたヒトたちだけだから、こいつらが地球を侵略しおおせる事は永遠にないのだ。しかもこの子にはモデルがいる。カッコいい夜の女に憧れて、その名を名乗ってる所詮は二代目なのだ。それだけなんだ。

幸せを運ぶお姐さんなんかやってたら疲れるよなあ。その通り。だから正体がバレる前にケツまくって田舎に旅立ったんだ。今は牛の世話やってるんだ。そういう自分勝手な女は、だったらこそひどく愛おしい。そう、未来永劫自分が語り継がれるようになったら迷惑だものなあ。

(評価:★4)

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