[コメント] 街をぶっ飛ばせ(1968/ベルギー)
12分の短編。登場人物は、シャンタル・アケルマン1人だけ。18歳のアケルマンだ。溶明前から鼻歌が聞こえる。
ファーストカットは通りを映してから左にパンして建物、それをティルトアップするショット。続いて、鼻歌を歌いながらアケルマンが建物の中に入って来る。エレベーターのボタンを押しまくるが、あきらめたのか、奥の階段へ。階段を上がるショットを繋ぐ。これはトイレに行きたかったということか?ドアから出て来る際のノイズはトイレの水を流す音か?
あとは、ずっとキッチンでのアケルマンの暴れっぷりが見せられる。パスタを茹でながら、ドアの隙間にテープを貼っていくのはなぜだろうと思う。鼻歌を部屋外に漏らさないようにしているのかと思ってしまったではないか。ときに耳障りなぐらい大きな鼻歌になるのだ。パスタを半分くらい食べた後、水道水を、蛇口のホースを吹っ飛ばしながら飲み、入ってきた猫をバルコニーに出す。シンクの下や上の戸棚の中の物を床にばらまき、粉石鹸と水をバケツに入れて、床や壁を掃除する。このメチャクチャぶりには不快感がある。大きな雑巾?が扱いにくそう。チューブに入った白い液体は、ホイップ?歯磨き粉?この液体が顔にかかってもニヤケながら踊りまくる。
紙に火をつけ、ガスコンロの栓を開けて、コンロにもたれるアケルマンのショットでストップモーション。こゝストップモージョンでなければ良かったと思う。暗転してから、スタフの名前がクレジット代わりにナレーションで紹介される。完全に習作というべき作品だと思う。『ジャンヌ・ディエルマン』の原型というよりは、『私、あなた、彼、彼女』の狂ったように砂糖を食べる姿を想い出す。
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