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[コメント] 青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない(2023/日)

自分の人生を自分で決める、ということを始めた遠い昔を思い出す。
ペンクロフ

若い頃の知りあいが監督やってるということを抜きにすれば、自分が青ブタというテレビアニメを信頼した決め手が、かえで(花楓)ちゃん周りの一連の物語だった。当初かえでちゃんは頭の悪い深夜アニメ文法に則った「愛玩用の妹」であるかのように登場するが、物語が進むにつれ、話はそう単純ではないことが判ってくる。痛みを抱えながら自分の人生を始める花楓(かえで)ちゃんを、我々は兄=いちばん近い他者の視点で眺めることになる。

青ブタは青春SFラノベであり青春SFアニメであるが、今作「おでかけシスター」はSFではなく、地味だが丁寧に作られた青春映画だった。自分を前に進めるのは視野を広げること、人と出会うこと、自分を大切にすること、周りの人を大切にすることなどだ。極めて真っ当である。

深夜アニメとして我々悪質なアニオタの欲望に応えながら、青ブタが今作に到達したことを祝福したい。次作も楽しみにしております。

(評価:★4)

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