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[コメント] 月(2023/日)

施設職員(二階堂ふみ)が洋子(宮沢りえ)に突き付けた、人はみんな目のまえの不快なものを見ないようにして生きているという指摘が、社会といった曖昧な集団ではなく「個々人」に向けて放たれたとき、私はその抜き身の“暴言”の正しさにぐうの音もでない。
ぽんしゅう

その指摘こそが、このテーマを映画にした意義であり成果なのだが。案の定、この映画もその“暴言”の正しさにまともに対峙しきれずに尻尾を巻いて逃げ出してしまう。しかも、洋子の夫(オダギリジョー)のキャラクターがあまりにも薄っぺらなので、夫婦の“暴言”からの逃走は説得力を持たず、青年職員(磯村勇斗)が引き起こす(現実社会では起きた)事実に対する「はぐらかし感」のみが残る。

(評価:★3)

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