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[コメント] 軍艦少年(2021/日)

出だしは好調。オレンジ色のジャンパーで堤防にしゃがんでいる主人公・海星−佐藤寛太の姿。これがタイトルの軍艦少年だ。
ゑぎ

 喧嘩(殴り合い)の寄りのカットがフラッシュバックとして挿入され、堤防の下に倒れている3人が繋がれる。この繋ぎ、意外性があって、いいと思った。次に海星は、オレンジ色のタンクトップ姿で、父親の加藤雅也と共に登場する。このオレンジ色の統一も本作の良い部分。また、高校の教室の導入カット−女生徒二人と、後景に海が見えるカットも良くて、さらに期待が高まったのだ。

 しかし、主人公の状況が描かれる中で、母親の大塚寧々が早めに退場する(そう思った)。正直、この早々の退場も、潔くて良いと思っていたのだが、なんと、大塚は、ラストまで、延々とフラッシュバックで出てくるのだ。もう本作の主役かと思うほどだ。しかも、同じシーンのフラッシュバックも多く、映画全体を感傷に溺れてさせてしまっている。主人公の『けんかえれじい』的シーンはまだしも、後半の加藤雅也の造型を中心に、家族の描写は、私が一番苦手なタイプの映画になってしまった。

 また、画面もムラがあると思う。端島ラーメンの屋内シーンは良い照明が多いし、一ノ瀬ワタル(KILLと書かれたマウスピース!)とのリベンジマッチのシーン(海辺のシーン)は、銀残しみたいな色合いが良いと思った。だが、ラスト近く、海星が一人で軍艦島へ上陸する場面は、夜なのに明る過ぎる。多分CGで作った夜だと思うのだが、どうせなら、もっと黒い夜にし、満天の星を強調すべきだろう。

 尚、加藤雅也も赤井英和も、なぜ東京弁の真似をして喋らされているのだろうと、ずっと思いながら見た(原作がそうだからか?)。ラスト近くの加藤が赤井に云う科白、「美味いやろ」。これだけ関西弁でした。

(評価:★3)

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