タイトルもジャケ写も恐ろしいくらいスマートでクールなんだけど、中身は異様に野暮ったくて、ダセェ。世界に馴染めない人間の哀しさってのは見てて痛々しいくらい伝わってくるし、こういうのって今も普遍のテーマとして、扱っている作品は多いと思う。だけどもこの作品は、本当に悪いけど、見苦しいくらいに野暮ったい。細かい事を言えば、タイトルの出し方一つにしてもそれだけで鳥肌立つくらい凄い作品ってありますよね？この作品もせっかくこんな良いタイトルがついているのに、出し方がなっちゃいない。野暮。

この作品はバックボーンは非常に普遍的なものを扱っているのに、それを表現する一つ一つのエレメントには流動的なものを使っちゃったのが間違いだったと思うんです。高度経済成長期における、古き（普遍）を捨てて新しき（流行）を追う、まさにその精神が見事、映像化された感じ。しかし残念な事にテーマは真逆の事を伝えたかったんですよね。流れに乗れないはみ出し者っていうか…。だからこの作品がどうにも失敗に思えるのかな、私は（頭悪くて言いたい事が上手く伝えられない…）。時代の流れにもびくともしない50〜60年代の映画とはやはり違うと感じました。でもそういう危うさが70〜80年代の魅力であるのかも知れませんが。

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09.04.06記（09.04.04DVD鑑賞）