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[コメント] 悪は存在しない(2023/日)

穏やかで美しく静かな風景の中で、緩やかに進む話だが、観終わって面食らったというか、びっくりしたというか。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







最後はいったい、何が起きたのか?少女は半矢の鹿に襲われたのかとは思うが、芸能事務所の男はどうなったのか?死んだの?殺されたの?死んでないまでも都会人があんなところに取り残されて身体十分に動かなかったら死ぬんじゃないの?何でこうなるの?と思っている内に終わってしまった。

本作は悪人のいない映画だと思っていたのだがなあ…敢えて言えば、あのコンサルタントとかいう男が一番の悪人だという感じだったのだがなあ。(現場には来ないし、その点も悪人っぽい)

あるいは、最後のシーンは本作と切り離して、まったく違うことだと考えてもいいのかもしれない。

人里離れた自然豊かなキャンプ地とか保養地に遊びに来た善人が、親切で人の良さそうな管理人だと喜んで、仲良くなったり、お世話になったりしていたら、突如、とか、ある時を境にして管理人がいきなり凶暴残忍なサイコパスに変貌して、善人たちを皆殺し、っていうのはホラー映画ではよくある話だよね。まさかと思うが、そういうことなの?

それともひょっとして、自然に対する人間の負い目、引け目、みたいなことを最後に示したのだろうか。

それが数十人規模のグランピング場であろうと、2人になってしまった家族であろうと、生活排水を出すなど、人間の活動が自然に何らかの影響を及ぼす、という点からだけ考えれば、変わりはない。人がそうやって自然の中に踏み入っていく以上は、自然から何らかのしっぺ返しみたいなのがあるのは仕方ないことで、それでバランスが取れている、ということだろか。

人間が鹿の領域に入り込んで狩猟して、その結果として半矢になった鹿が、今度は自分の領域の前に現れた人間の少女にそれ相応のことをするのは、理にかなったことであり、それがわからない男にはとりあえず裸締め、ということなのだろうか。

いずれにせよ、ぶっ飛んだ映画だったなあ。ホント、びっくりした。

(評価:★4)

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