[コメント] ライド・オン(2023/中国)
ジャッキー育ちの我々世代からすると、ジャッキーが老スタントマンの役を演じるなんて想像するだけで映画を観る前に泣けて、泣き終わってから映画館に行くもののいざ映画を観てみると案外アレで全然泣きゃーしない、というコースが完全に想像できるし実際にその通りになった。こういう映画は監督サモハンで観たかったな。
脚本は三流メロドラマで娘との縮まる距離が行ったり来たりで無駄が多く、編集が下手でテレビドラマのダイジェストみたいで、観る前に懸念した通りに物語上の馬の扱いは酷かった。
老スタントマンの過去の映像として出てくるのは本当のジャッキー主演作で、スタントマンという設定が台無しになっている。これならジャッキーその人、世界的なアクションスターの老いた現在を描くべきではなかったか。
ジャッキーがジャッキーとして居るだけで価値がある、それはそうだと思う。吹替版で観たが、石丸博也がジャッキーあててるだけで価値がある、それもそうだろう。しかし一度引退した石丸の今作の演技が無惨なものだったように、今作のジャッキーはジャッキーであることに安住しすぎではないかと思う。安住する資格はバッチリある人なので言いにくいんだけど。
孫みたいに見える娘役と抱き合う場面では妙な緊張感があった。娘役にとってジャッキーは自分が生まれる前に活躍した往年の大スターで、バンツマとかエノケンみたいなもんなんだろうけど、そいつ枯れきったお爺ちゃんじゃないぞ。まだ男だし、まだ危ないぞ。
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