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[コメント] オークション 盗まれたエゴン・シーレ(2023/仏)

絵を売ることしか能のなさそうなこのワーカーホリック競売人(アレックス・ルッツ)の鼻持ちならなさなど可愛いものだと女たち(元妻レア・ドリュッケールも弁護士ノラ・ハムザヴィも部下ルイーズ・シュヴィヨットさえ)本能的に察知しているようだ。
ぽんしゅう

そして、発見されたエゴン・シーレの絵画がマネーゲームの材料にしか見えない彼らと、その絵のたどった運命に“人の愚かさと悲しみ”を見いだす労働者青年(アルカディ・ラデフ)とかつての所有者ユダヤ一族は、この世で最も資本の原理が純化する「オークション」の場で(ほんの一瞬)交錯する。が、彼らの価値観が交わりベクトルを共有することなど望み得ないのが、現代の“人の愚かさと悲しみ”なのでしょう。

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